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栃木県足利市で90年、4歳女児が殺害された「足利事件」で東京高検は4日、無期懲役が確定し服役中だった菅家(すがや)利和受刑者 (62)を91年12月の逮捕から17年半ぶりに釈放した。
現場に遺留された女児の着衣の体液と菅家さんのDNA型が一致しないとする再鑑定結果を覆す証拠はないと判断し、4日、
再審開始に反対しないとの意見書を東京高裁に提出した。再審開始が確実になり、無罪が言い渡される公算が大きくなった。
重大事件で再審開始決定前の受刑者が釈放されるのは、病気以外では初めて。菅家さんは千葉刑務所から釈放された後の4日夕、
千葉市で記者会見し、弁護団に「本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、そのうえで「間違ったではすまない。当時の刑事、
検察官たちは絶対に許さない。謝ってほしい。人生を返してもらいたい」と批判した。
これに先立つ4日午前、東京高検は再鑑定結果について「無罪を言い渡すべき証拠に該当する可能性が高いと判断した」としたうえで
「刑の執行を停止することにした」と発表した。
再鑑定結果は先月8日、明らかになった。弁護側、検察側双方が推薦する2人の鑑定医がいずれも
「DNA型は一致せず捜査段階の鑑定は誤りだった」とする結果を提出し、高裁は12日を期限に意見書の提出を求めた。
足利事件では、DNA型が一致するとの捜査段階の鑑定と菅家さんの自白を有力な証拠として、1、2審が無期懲役を言い渡し、
最高裁も00年、DNA鑑定の証拠能力を初めて認め、有罪を支持する決定を出していた。
再鑑定を受け検察側は、捜査員の汗などの混入の有無を検証したが、遺留物とDNA型が一致した捜査員はいなかった。
東京高検は検察側推薦の鈴木広一・大阪医科大教授の再鑑定を「適切な手法でDNAを抽出し手法にも問題はない。
無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当することは争わない」と結論づけた。一方、弁護側推薦の本田克也・筑波大教授の鑑定については
「検査方法に疑問があり信用性に欠ける」と指摘した。
弁護団は02年12月、宇都宮地裁に再審請求。昨年2月に請求を棄却されたため、東京高裁に即時抗告した。高裁は今後、
意見書を踏まえて審理を進めるが、抗告を認めて再審開始を決定する公算が大きい。再審開始決定に対し、高検は5日以内に特別抗告できるが、
今回は異議を申し立てず、そのまま確定するとみられる。その後宇都宮地裁で菅家さんの再審が始まることになる。【安高晋、鈴木一生】
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